北部よもやま話


医局秘書(たまに先生)が送る
医局つれづれよもやま話

2016年11月18日

乳腺甲状腺超音波医学会(中野先生)

読んでくださっている方の中にはすでにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、このブログに「カテゴリー」を設定してみました!普段の内容は「つれづれ」になりますが、本日ご紹介するような内容は「学会」として分けていこうかと思っています。外科系診療センター 外科のどの先生がいつ、どの学会に参加し、どのようなタイトルで発表や講演を行ったのか、といったことを探しやすくするために設定してみました。

カテゴリーの使い方としては、たとえば「診察の予約を入れたいけど、○○先生はその時期に学会かな?」といった場合(ないと思われますがもしあれば)、まずはこちらのページを見ていただくのが便利かもしれません。そして、しばらく経ってから「そういえば、先生って学会で一体何をしたのかな?」と思い出したときなどにこの「学会」を開いてみると何かわかるかもしれません。ブログのトップページの左にカテゴリー メニューを用意しましたので、よろしければご利用ください。

            

                

やっと本題に入りますが、今回ご紹介するのは中野先生(助教)の「第37回日本乳腺甲状腺超音波医学会 学術総会」での講演です。前回お伝えしたように、学術総会(いわゆる学会)では様々なテーマを掲げたセミナー、ワークショップ、ディスカッションなどが行われ、その中の1つ、外科系診療センター 外科の福成先生が座長を務められたワークショップで中野先生が講演を行いました。

学会のテーマは「超音波検査を”楽しく”学びたい!!」、そして福成先生が座長を務められたワークショップのテーマは

「新甲状腺結節超音波診断基準策定のための縦横比多施設共同研究」

です。そして中野先生の講演タイトルは

「当科における、縦横比を用いた甲状腺結節性病変の良悪性診断の検討」

というものでした。その内容は、長くもなるので勝手にざっと意訳してみますと……

甲状腺腫瘍の縦横比は簡単に測定できて客観的評価が可能なため、良性/悪性の診断時に重要な超音波所見として用いられてきました。諸外国の甲状腺腫瘍性病変に関するガイドラインには、その診断基準の1つとして縦横比が記載されているものもありますが、日本の甲状腺結節(腫瘍)超音波診断基準には含まれていません。そこで今回はその有用性について検討してみました。

2014年と2015年の2年間を対象に手術加療した結節を調べたところ(再手術などの理由により腫瘤の変形があった症例は除外しています)、悪性腫瘍の場合に縦横比の値が大きくなることがわかりました。そのことから、縦横比は良性か悪性かを診断する1つの材料と考えてよいのではないかと思われます。従来の「D/W > 1」という基準も特異度の高さという面から診断に役立つと思われます。

縦横比は他の超音波所見よりも客観的な評価ができるため、これから甲状腺結節超音波診断基準に導入されるべきものではないでしょうか。

ざっくりまとめるとこのような内容になるのでないかと思われます(曖昧ですね)。私は今までまったく違う業界でお仕事をしてきましたので、医局秘書となってからは目や耳から入ってくる言葉の多くが聞きなれない、知らないものばかりで日々いろいろと勉強になります

それでは、今回はこの辺りで。この秋の学会シーズンではこれ以外にも発表や講演がありましたので、また次回も少しご紹介したいと思います。それでは〜

Posted by 医局秘書 on November 18, 2016